わかりやすい恋 

言葉は暗号です。
ひとつの言葉が、いろいろな意味に
理解され、誤解され、すれちがい、
人々は思いを伝えあいます。
誰が、暗号をといてくれるでしょうか。
なぞなぞは、むずかしいほど解くかいがあります。
会話は、一瞬の芸術だから、シャボンのように消えようとも、
星のように光ろうとも、見える人にしか見えません。
見えてしまえば意識の革命です。
好き、ということは、一度言えば、
それでいいのです。
―著者―

「この場所から」

君と会えてよかったと思える恋でも
僕たち以外の何かの力を持って
この場所にとどまることはできない
僕の願いを果たすために
駆け出す一足一足が
たとえ僕たちを遠ざけることになっても
それはそれで仕方ないことなのだから

夕日の中で困った顔をする君を見て
心から好きだと思う
君が僕のものでないことが悔やまれるほど
確かに思う
君は僕に愛されたという事実を
金ピカのバッジにして胸にはって
歩いていくんだよ

もしかしてずっと一緒にいられたら
それがいちばんいいから
もう何もかんがえないようにしようよ
もう何も迷わないことにしようよ

この場所から

くすりと笑う
あなたが
まぶしくなる
本当に
現実なのに
夢の中のようにかなしい

あなたをさらえたらいいのに

センチメンタルもいいけど

言葉にすると落ち着かないね

ちやほやされてダメになった
この恋は あなたに返す
あなたがみつけてくれたから
思い出はまぶしくて遠いもの

ふたりには もう違うもの

「こころという不思議」

ただ黙って見つめるという自由
あの人にさとらせないという努力
孤独というひまわり
言葉という星

きっとという奇跡

こころという不思議

恋人に出会って急に世界が変わったなんてそんな話し、
わかるけど、まっぴら。

海を見たいと出かけても
ずっと
うつむいているような人だった

あなたをあきらめる理由をひとつひとつ数えあげてみた
あなたを嫌いになる理由を
小さいことから大きいことまで
性格の違いや好みの違いも
そうしたらわりと次から次と出てきて
10コも20コにもなった

そして
こんなことまでして忘れようとしている
この恋の深さにハッとした

言おうかどうしようか
迷っていた事がある
小さいことだよと
忘れてくれたら
いいんだけど
今朝からの
不機嫌の
理由は
あの


あなたが私にとって大切な人であることが
あなたにはわからないかもしれないけど
私のは わかる

わたしがどこまでもわたしなら
あなたはわたしにきづくはず

その一瞬にさえも胸が痛くなる
ため息は遠心力
近くにいるのに
遠くへとばされる

今このときのための今だったと思う

追いかけることをやめる時
私たちは未来に希望をみいだすだろうか



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こちらのページはのれん本人が紹介しているものです。
銀色夏生さん、他各出版社様、ページの写真画像等とは
一切関係ありません。

わかりやすい恋
銀色夏生

初版発行 昭和62年12月18日
発行所   株式会社角川書店

∞追伸∞
この本に出ている女の子は、若かりし日の森高千里さんですよ(笑)
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