LESSONN

私達は迷わずに歩いていきましょう。
もう、ここまで来てしまいました。
月日は、すぎていきます。
あの頃に帰りたいなんて言わないで下さい。
今、目の前にいるのが私です。
今、目の前にいるのがあなたです。
どうしょうもないことは、もう
どうしょうもないでしょう。
笑えることが素敵です。
―著者―

あの時 僕は
ひとことひとことを聞いて
まさに ふるえながら立っていたんだ
けれど 僕の口から出た言葉は
まるで君をおどろかせてしまうような
ものだったね

わがままも
かわいいのは
最初と最後だけ

あなたとはじめてのことを
たくさんしたいから
知らないことを
たくさんとっておく

さよならと言ったのは
さよならと言われそうだったから

寒い真冬の風の中に
立ちすくんだ二人が
とても悲しかったから

私たちが何度も手をつないで
歩いたこの道が
とても悲しかったから

あなたの目をそらさずに
心を強くもって
何もかも知っていたと
思わせるように

さよならと言ったのは
さよならと言われそうだったから

「恋のもつれ」

困りはててKEYをいじった
二人とも言葉もなく
次の展開を期待した
人ごとだったら笑えるだろうと
心も中で考えてみたり
重々しさにたえかねて
窓の外をながめたり

恋のもつれってさわやかじゃない
それぞれの立場で思うなら
だれもまちがってないし
情がからめば悪人にもなる

でも 結局はやはり
好かれていない方が
負けなんだろうね
悪いけどごめんねと
言える方が
勝ちなんだろうね

あなたの笑顔の一瞬や
あなたの憂いの一瞬と
出会えた時
写真のようにこの感じを
忘れないように胸に刻む

思い出すために すこしでも強く
思い出すために すこしでも長く
悲しくてもこの恋が純粋であるように
心をこめて
またあなたを思い出すために

「急にさよならと言ったから」

急にさよならと言ったから
目の前がかすんでしまった
君はかわいくてよかったね
別れ話が上手だね
心のままに流れていくの
知らずに誰かを傷つけて
あなたがいつか遠くへ行ってしまっても
変わらずにずっと
私だけは好きでいると言った雨に中
あの時の君は何だったの

君の部屋からみえた月
思い出だけがひとつだね
長い髪が笑って消えて
生まれてはじめてうらんだよ
あなたがいつかだれかを愛してしまっても
今を忘れても
私だけは忘れない あなたを好きです
あの夜の君がウソみたい
ふたりがいつか一緒に暮らせるとしたら
この街がいいねと
歩きながらなにげなく僕をおどかした
あの頃の君は 何だったの

僕の目を 見ないでね
夢が見えるから
見えて こわいから



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こちらのページはのれん本人が紹介しているものです。
銀色夏生さん、他各出版社様、ページの写真画像等とは
一切関係ありません。

LESSON
銀色夏生

初版発行 昭和63年4月25日
発行所   株式会社角川書店
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