Balanse

私は、世の中の出来事や様子はすべて、
バランスとタイミングという2つの要素から成り立っていると、
という見方で物を見ることがあります。
そうすると、いちばんいい時期
(動きだすのにいちばんいい時期、失うのにいちばんいい時期、心をひらくのにいちばんいい時期)
が、自然とわかってきます。
冷静で客観的なところをもっている人こそ、
本当に相手を守る感じで、
愛情をそそげるのではないかと思います。
―著者―

僕たちは、
できるだけ泣かないようにしてきたのに、
あのひと言ですっかりだめになった。

うれしい時に、泣いて
悲しい時に、笑うような人でした。

「きれいな声」

その声は、とてもきれいな声だった。
あなたの部屋へ電話をしたら、その人がでたの。
その人はすこし驚いた後、落ち着いてあなたの名字を告げた。
私は、まちがえたフリをして切った。
あなたの部屋に、あなたの名をかわりに答える人がいた。
その声は、そてもきれいな声だった。

自分の弱さをまざまざと
みせつけられた夜だった

「時々」

あなたのことを知ってても、時々、
何も知らないような気になる。
あなたのことを好きだと思ってても、時々、
本当に好きなのかわからなくなる。
あなたに好かれていると思っていても、時々、
本当に好かれてるのかわからなくなる。
あなたのことを知らなくても、時々、
とてもよくしっているような気になる。

真似しても、ちょっと違う
あなたになれない私

真似しても、ちょっと違う
あの人になれない私

真似しても、ちょっと違う
あの子になれない私

真似しても、ちょっと違う
私になれないあなた

「彼女の特権」

彼が置き忘れた本を持っていけるのは、
彼女の特権。
彼の好きな歌を大声で知らせるのは、
彼女の特権。
彼が落ち込んだときにただひとり近くによれるのは、
彼女の特権。
それをまわりのみんなが認めているということが、
いちばんの特権。
彼の彼女、ということは、ただ彼の彼女ということだけではなくて、
みんなの知っている彼の、みんなの知っている彼女ということ。
それがとてもうらやましくて、まぶしくて、仕方ない。

「泣かない気持ち 泣く気持ち」

私たちはいつも、ふたつの気持ちがあるのです。
泣くこともできるけど、泣かないこともできるのです。

ただ、泣くだけ。
ただ、泣かないだけ。
ただそれだけ。

まぶしくてみていられない
その光のある場所

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一切関係ありません。

Balanse
銀色夏生

初版発行 平成元年11月25日
発行所   株式会社角川書店
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