春の野原 満天の星の下
私は、人が、人は結局ひとりひとりなんだなぁと、
時々感じて、
そのことを無意識にいろんな言い方でぼんやりと口にするのに出会うと、
心にぱぁっと明かりをともったような、
虹をみつけたような気持ちになります。
個人個人であるということを、
恐怖心からでもなく冷たい感情からでもなく、
ただそのままの事実として認められる人は、
とても強くてやさしい人だと思います。
一個こころは無限にひろく、
人の素敵さも無数にあるので、
私は、人生が、楽しみで、素晴らしいものに思えてしょうがありません。
―著者―
この恋を失ったら
もう私は本当に
自分の道を歩いていくしかなくなるだろう
なんとなくふたりは
もうダメかなぁと
こころが
思いはじめた夏だった
心を占めているものが他にあると
新しいことははいってこないのだろうか
時々すうっと胸にしみ入ることがあるが
そのときは心が空っぽだからだろうか
悲観してはいけない
特に今度は
悲観するのは悪いくせだから
つぎからよそうと決めたんだ
なぜこんなにも あの人のことを気にするのか
逃げているから
消えないのか
強く向かってくるものから
いつも一度はひいてしまう
離れきってしまったようでいて
なんて求めあっているのだろう
確信には、伝染力がある
あなたに感化されて、
みんなが従ってしまった。
信じるというゲームから
また一人
おりていく
わたしなら
最後まで
続けたい
このゲーム
恋人を信じきり
信じぬく
愛情は人生への挑戦
なせこうも
思うのかというと
これほどの信頼を
あの人こそが
くれたから
いつどこがどんなふうにかは わからないけど
すべては変わっていくだろう
希望は明日へすいよせられる
変化という包容力
さっぱりとしたいさぎよさの
毎日がはじまる
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こちらのページはのれん本人が紹介しているものです。
銀色夏生さん、他各出版社様、ページの写真画像等とは 一切関係ありません。
春の野原 満天の星の下
銀色夏生
初版発行 平成4年4月25日
発行所 株式会社角川書店
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