微笑みながら消えていく
いつかあなたに出会ったとき
自慢に思ってくれる私でしょうか
遠くに小さな月もでて
消え入りそうな日暮れです
「3ヶ月」
あなたに去られてもう3ヶ月。
まだ3ヶ月。ため息の日々。
季節が変わったように思うけど、
胸から出ているものは何も変わっていない。
部屋の明かりをつけたり消したり、
家中を行ったり来たり、
時をムダ使いしている。
どんなふうだった?
もう甘ったれないと決めてからの私は、いさぎよかった?
3ヶ月。
3ヶ月。
この3ヶ月に私がしたここといったら、
あなたを忘れないことだった。
やはり今ならば僕はできるだけ自分の心に正直に
もし不幸が訪れたら観念して正面から受け止めようと思う
やさしくするなら最後まで
つめたくするなら最初から
「君は希望の香りがした」
君は希望の香りがした
そういう形のプレゼント
「約束しなくても また明日 会える」
約束しなくてもまた明日会えることが
どんなにいいことか
約束しなければもう次に会えないという身の上になってみて
つくづくよくわかる
∞あとがき∞
私たちが力づけられているあれらのものというのは、
確かに力づけられるに価するものだと私は思っているので、
失望することなくこれからも、
この複雑で単純な世の中を冷静に泳いでいきましょう。
できれば、
やさしくて純粋なものを見落とさずに。
もちろん、悲しくて透明なものから目をそらさずに。
にっこりさせられるって、素敵なことです。
―銀色夏生―
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こちらのページはのれん本人が紹介しているものです。
銀色夏生さん、他各出版社様、ページの写真画像等とは 一切関係ありません。
微笑みながら消えていく
銀色夏生
平成元年11月25日 初版発行
株式会社角川書店 発行所
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